メダカと遺伝について

メダカの品種と固定率

改良メダカの体色、目の変化、ヒレ変化、鱗、柄、体型の特徴を形質と呼び、遺伝する形質の組み合わせによって品種名が決まっています。どの程度の確率で親から子に形質遺伝するかを固定率と言い、親の形質が子に現れないことを、形質遺伝していないと表現します。

今までにない形質の組み合わせを持った品種で、その形質が一定割合以上の固定率(30%程度)で子に遺伝するようになると新品種となります。ー例ー体色が三色同士の親から、三色のメダカが30匹、白黒ブチ色のメダカが70匹産まれたとします。その場合の固定率は、30/(70+30)×100=30%となります。

メダカの形質

目視で判別可能で子孫に遺伝する改良メダカの特徴を形質と呼びます。

  • 体色
    単色:茶、青、緋、白、黄金、朱赤、琥珀、ブラック、ピンク、シルバー
    虹色素胞系:体外光、体内光、全身体内光、ラメ
  • 目の変化
    普通種、パンダ、ビッグアイ、水泡眼、アルビノ、スモールアイ、出目、目前
  • ヒレ変化
    普通種、サムライ、背鰭無し、ヒレナガ、スワロー、メラー、新体型
  • 透明鱗
    透明鱗
  • 体型
    普通種、ヒカリ、ダルマ、ヒカリダルマ

  • 錦、更紗、丹頂、ブラックリム

遺伝子型の種類(ホモ/ヘテロ)

遺伝子型とは個体が持つ遺伝子的構成のことで、表現型とは個体が持つ遺伝子的形質です。遺伝子が存在していても形質が発現しない場合もあり表現型と遺伝子型は必ずしも一致しません。
人間もメダカも2つでワンセットの対立遺伝子を持っていますが、AA , BB , aa , bb のように同じ対立遺伝子がセットになっているものをホモ接合体、Aa , Bb のように違う対立遺伝子がセットになっているものをヘテロ接合体と言います

メンデルの法則

  • 優性の法則
    突然変異で特徴的な形質を持つ他品種の親同士を交配すると、両方の親の特徴の遺伝子を半分ずつ持った雑種の第1代(F1)が生まれてきます。しかし遺伝子には表現型が現れ易い優性遺伝子と現れにくい劣勢遺伝子があり、同時に存在した場合には優性形質のみが表現型として現れます。
    雑種の第1代(F1)には優性形質だけがあらわれ劣性形質は潜在するのが「優性の法則」です。
  • 分離の法則
    この雑種の第1代(F1)同士を交配し産まれた雑種の第2代(F2)は、優性形質の特徴を持つ子供と劣性形質を持つ子供が3対1の割合で生まれてきます。このように両親から受け継いだ2種類の遺伝子は融合せずに次の代に伝わりる際に分離するのが「分離の法則」です。
  • 独立の法則
    異なる2つ以上の形質が特定の組み合わせを成さず、全く新しい色や形質が無関係に遺伝するのが「独立の法則」です。

戻し交配

戻し交配とは異種交配で作った交雑によって作られた雑種第一代(F1)に最初の親(F0)を交雑させることを言い、戻し交配のメリットは戻し交配に使用する最初の親(F0)に限りなく近い個体を作成することができる点です。
戻し交配で残したい特性は優性形質でも劣勢形質でもどちらでも大丈夫ですが、優性遺伝の形質を残したいのであれば、子の表現型を確認するだけでどの個体がその遺伝子を受け継いだかを簡単に確認できます。
劣性形質の場合はホモ接合体でないとどの個体に遺伝子が引き継がれたのかがわからないため、遺伝子解析を行う必要があります。
戻し交配を複数回続けて行う場合を連続戻し交配といいます。

取り込ませたい特性を持つ親を一回親(A’)と呼び、その特性を元々は持っておらず特性を取り込ませたい親を反復親(A)と呼ぶ。一回親に対して反復親を交配し、生まれた子孫に対しても反復親を交配します。交配して得られた各世代において、望む特性の遺伝子を持った個体を選んで次の戻し交配する必要があります。


メダカ飼育方法 How to〜
ふくをフォローする
スポンサーリンク

wildworks

コメント