メダカの採卵から孵化、針子の育成

採卵から孵化させるまで

メダカは12〜14時間程度の日照時間が確保され、水温が20度程になるとメスの体内で卵成熟に関するホルモン分泌が促進され、水温が25度以上になるとほぼ毎日、20〜30粒の卵を産卵します。

親メダカは春になり上記の条件になると産卵を開始しますが、親は自身で産んだ卵、稚魚共に食べてしまう習性があるため、メダカを増やすことを目的とする場合には、親容器に産卵床をセットしメダカが卵を付けたら産卵床ごと親容器から取り出し、別容器で孵化させる方法を取る必要があります。

産卵床は昔は水草や浮き草などを使用していましたが現在では人工産卵床がメインとなり、シュロ,毛糸,スポンジ,フィルターマット,チュール生地と様々な素材を使ったメダカ用の産卵床が市販されています。

孵化容器はバケツやタッパー、100均のコミックケース、小さめのコンテナなど小型の容器なら何でも良いかと思いますが、卵を早く孵す目的で水温が上昇し易い黒色のものや、水量が入り過ぎない小型のものを使用します。

孵化容器に入れる水は塩素が入っている通常の水道水を使用します。メダカの卵は塩素の影響で死んでしまう事は無く、逆に水道水の塩素により雑菌を防ぐ作用があります。孵化直前まで水道水による換水を毎日出来る様なら、水道水に含まれるカルキの殺菌効果により卵を雑菌から守れますが、毎日換水出来ない人は殺菌剤であるメチレンブルーを入れ雑菌から卵を守りましょう。

メチレンブルーは無精卵を染色する作用もあるため、カビが生える前に無精卵を容易に見つけ取り出せるというメリットもあります。メチレンブルーを使用していない時の無精卵の見分け方としては、メダカの有精卵は指でつまんでも弾力があり割れないので、指でつまんでつぶれてしまう卵が無精卵です。
無精卵や死んでしまった卵はカビやすく一つの卵がカビた場合隣り合う生きた卵もカビに侵され易くなりますので無精卵はなるべく早くスポイトなどで取り除きましょう。
孵化容器に卵を投入したあとは孵化まで毎日卵の状態を確認する様にします。死んでしまった卵や無精卵はカビに侵食されてきますので、カビた卵を見つけた場合にはスポイトなどを使用しすぐに取り出し他の卵にカビが移らないようにします。

メダカの卵が孵化するまでの期間は水温によって変わってきます。
メダカの受精卵は水温が高いほど孵化までの時間が短く逆に水温が低ければ長くなり、卵の孵化するまでのおおまかな日数を積算温度で計算することが出来ます。
メダカの孵化までの積算温度は250℃日と言われており、水温(℃)×日数=250(℃日)と表します。つまりメダカの卵は、水温が25℃なら、250(℃日)÷25℃=10日で孵化し、水温が30℃なら、250(℃日)÷30℃=8.33日で孵化します。

メダカが孵化してからの管理

産まれたばかりのメダカ稚魚は生後二週間ほどを針子と呼びます。メダカの針子は最初の三日ほどはお腹の袋の中の栄養だけで生きていますので餌は必要ありません。三日程して袋の栄養を吸着しきったところで自分で餌を取るようになりますが、ここから二週間の針子の状態が一番弱くここをいかに乗り切るかが、メダカの稚魚を育てる上で最も重要な期間になります。
この頃の針子は肉眼で形がわかるような大きな餌は食べることが出来ないので稚魚用のパウダー状の餌を与えます。餌を与える回数も1日に少量を数回というように、餌をなるべく切らさない事が針子の生存率を上げます。
仕事の都合などで日中の給餌が難しい方も多いかと思いますが、その場合はグリーンウォーターでの針子飼育がオススメです。
グリーンウォーターなら植物プランクトンが豊富にいるので、針子にこの植物プランクトンを食べさせ給餌の補助とします。針子がうまく育たない方は餓死を疑ってみて下さい。
針子の時期を乗り切り稚魚サイズになればひと安心です。

メダカ飼育方法 How to〜
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