離岸流の見つけ方

離岸流とは

地域によってはダシとも呼ばれ、波によって生じる岸から沖方向への海水の流れです。
海水は波によって沖から海岸に打ち寄せられ湾曲部の奥部などに集中します。その海水が水位差により沖へ流れ出る流れを形成します。規模は波高や地形の条件などにより様々で、大規模なものでは幅で10~30m 流速は毎秒2m以上にもなります。
発生する地形的には海岸から沖へ直角に突き出た突堤などの構造物付近や砂浜海岸の海岸線が円弧状に屈曲している場所、砂浜上面が凸凹状に波打ってる場所などで発生しており、入水時に一旦この流れに乗ってしまうと逆らって泳ぐことは困難です。

サーフで釣りをする場合、離岸流が発生している場所はその流れにより海底の砂が沖に払い出され大きく掘れて深くなっており、この深みに魚が入って来やすくなる他、深みと浅瀬の間に形成されるブレイク部分にヒラメやマゴチなどが付きやすくなります。
フィッシュイーターのベイトとなる小魚は少しでも酸素量の多い場所を好む傾向にありその流れに乗ってベイトフィッシュが集まりやすく、離岸流はフィッシュイーターの恰好の捕食場所となります。

離岸流の見つけ方

高い場所から浜全体を観察しよう

波打ち際で海を観察するよりは波打ち際から離れて海面を広く見渡し観察することで離岸流は見つけやすくなります。釣りに行っていきなりポイントに入るのではなく、サーフに降りる前に遠くから全体的な波打ち際の形状、波の崩れ方、白波の立ち方を確認すると共に、海の色によって水深が深い場所を確認しましょう。

遠目より地形と波を広く観察することで、離岸流のある場所とそうでない場所との差が分かりやすくなります。

海ではなく浜側の地形を観察しよう

海岸線は波と海流が作り出しており、横一直線になってはおらず張り出し部分やヘコミ部分があり、ヘコミ部分はワンドと言い離岸流が発生しやすい地形となります。また砂浜は起伏や傾斜を形成しますが、砂浜にみえている起伏や傾斜は沖の海底の地形ともほぼ一致しています。海岸線が窪んでいるう箇所には波が集まりやすく離岸流が発生しやすくなりますので、まずは浜側の地形がどうなっているのかを確認しましょう。

離岸流を見つけるコツはまず海ではなく浜側の海岸線を良く観察しましょう。

基本的にサーフで発生する離岸流はサーフの地形と波により形成されるため、潮位により左右に移動したり無くなってしまうこともあります。

白波が立っていない場所を探そう

波は水深の浅い場所に来ると波が崩れ泡を巻き込んだ白波になります。離岸流の中はその強い流れで砂が沖に払い出されるため、その他の場所より水深が深くなっているので波が崩れない場所は離岸流が発生している確率が高くなります。

海面が周囲に比べ騒ついている場所を探そう

離岸流は沖に払い出す強い流れなので、打ち寄せる波が崩れる前に払い出す流れが当たり海面に三角波のような騒つきが出来ます。また波の形状も通常の波とは違ってくるので海面と波を良く見て離岸流を探しましょう。

ゴミの集まっている場所を探そう

押し寄せた波が一ヵ所に集まり沖に払い出しているのが離岸流なので、波に乗って流されて来た漂流物や海藻なども集まって来ます。海に漂流しているゴミだけで無く、波打ち際にゴミが多い場所も離岸流が発生していた可能性が高い場所となります。

ルアーを通してみよう

離岸流らしいポイントを見つけたら、まずはルアーをキャスとして通してみましょう。離岸流は沖へ払い出す強い流れがあるので、他の場所にキャストした時より明らかにルアーの引き抵抗が強くなります。

離岸流の発生しやすい場所

ワンドになっているところ

ワンドは波と海流によって形成されより波が集まりやすくなるため、ワンドの頂点からは離岸流が発生しやすくなります。大きなワンドであればあるほど浸食力が強いということになりますので、より大きなワンドの方が流れの強い離岸流が発生している可能性が高くなります。

堤防やヘッドランドなど人工の構造物のあるところ

サーフの岸に堤防やヘットランド・テトラポットなどの人口の構造物がある場所はその地形に波が当たり構造物に沿って離岸流が発生しやすくなります。
サーフで発生する離岸流が時間と共に移動したり無くなってしまったりするのに対し、人工構造物がある場所の離岸流はいつ来ても同じように発生していることが多くなります。

岩(根)のあるところ

根と呼ばれる岩のある場所も根に波が当たり根に沿って離岸流が発生しやすくなります。海面へ頭を出している岩だけでなく沈み根と呼ばれる海面から沈んだ岩でも同様に離岸流が発生しやすくなります。

川の流れ込みのあるところ

波打ち際の砂質からも判断が出来ますが、離岸流がある箇所の砂質はその強い引き波に砂がさらわれて砂の粒が荒くなったり小石や砂利が溜まったりしています。

水面の観察では離岸流が走っているポイントは深くなっているため白波が立ちにくく、打ち返しでできたサラシの泡が沖へと続きさざ波立っています。

離岸流のある場所は地形が大きく掘れて深くなっており、多くのベイトも集まってくるためサーフでは超一級ポイントになります。サーフでの釣りではぜひ離岸流を探してみましょう。
初心者は離岸流を見分け難いかと思いますが、慣れてくれば地形と海を観察する事で離岸流が何処に発生しているのか直ぐに分かるようになります。

もし離岸流に流されたら?

  1. パニックにならない落ち着き、可能であればまわりの人に流されていることを知らせる。
    (離岸流に流されている人を見かけたら、海上保安庁の緊急通報用電話番号「118」へ電話をしましょう。)
  2. 離岸流の流れに逆らって岸に戻る事は困難なうえ体力を消耗してしまいますので、岸と平行に泳ぎ離岸流の流れからの脱出を目指しましょう。決して岸に向かって泳いではいけません。
  3. 沖向きの流れを感じなくなったら岸に向かって泳ぎましょう。泳ぎに自信のない人は無理に泳ごうとせず浮くことに専念しましょう。
総合
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