ウェーディング入門 ウェーディングのやり方と基本

ウェーディングとは

ウェーダーと呼ばれる胴長を着用して海や河川、干潟、サーフ等のフィールドに立ち込んで入水した状態で釣りをすることで、今まで届かなかった魚やポイントへルアーをアプローチする事が可能になります。
海や川の中に立ち込みながら釣りを楽しむウェーディングゲームは、自分が大自然の中に入り込み非日常的な感覚が味わえ、陸っぱりや船釣りとはまた異なる体験が得られる釣り方で、流れや水温の変化を直に感じることによる釣り場や自然との一体感!!水面が近い常態でのエキサイティングな魚とのファイト!!など岸からでは感じることができない魅力があります。
陸っぱりの延長線として船釣りより手軽に始める事ができ、陸っぱりより釣果が出やすい傾向にありますが、水に入って釣りをする以上ウェーディングには様々な危険もあります。

装備を整えて安全にウェーディングしましょう♪

ウェーダーの選び方

ウェーディングというからにはまずウェーダーがないと始まりません。ウェーダーは防水性の「胴長靴」のことで水に濡れて体温が下がるのを防止する役割があり、その形状と素材にはさまざまな種類があります。
ウェーダーには大きく分けて靴が一体となっているブーツフットウェーダーと、靴が付いていないストッキングウェーダーがあります。
ブーツフットウェーダーは着脱は楽ですが足部分が長靴のようになっていて足首や足の周りにダブツキがありピッタリフィットしないので、長距離を歩く場合は歩きにくかったり、入水する場所の流れが強い場合などは危険な場合もあります。
さらにウェーダーの高さがウエストまでのものと胸まであるチェストハイがあります。また、ブラックバス釣りのフローター用のようなゆったりしたタイプの物もありますが、流れが無いようなポイントでは大丈夫ですが、流れがあるようなところでは水の抵抗とウェーダーの中の空気、素材自体の浮力で危険な事もありますので、安全面を考えてスリムタイプをチョイスするようにしましょう。

ウェーダーの素材には、高価ですが雨や水を通さず汗は蒸散させ耐久性もあるゴアテックスや、耐久性が強くメーカーを気にしなければ量販店などで五千円くらいから買えるPVC系、またクッション性、断熱性が高いネオプレーンがあります。
使ってみて快適なのはやはり高価でも機能性が高いゴアテックスですが、ウェーダーは間違いなく消耗品ですのでその辺りも考慮し検討しましょう。

着用のPOINT!!

転倒などで浸水した場合ウェーダー内に水が入ってしまうと身動きが取れなくなってしまいますので、ウェーダーの腰部分にあるウェーダーベルトは必ず締めましょう。

ウェーディングポイントのフィールドにウェーダーの靴底の素材が合っているのかを必ず確認しましょう。


フローティングベスト

流された時やウェーダーに浸水などの、もしもの時に身体を浮かせ命を守ってくれるのがフローティングベストで、ウェーディングを行う上では必ず必要となるマストアイテムです。
また磯場などで転倒した時などには浮力材がクッションになったりしますので、ウェーディング時だけでなく釣行時には自分の身を守る為にすすんで着用するほうが良いでしょう。

自動膨張タイプではなく浮力体が入っているウェーディングゲーム専用のフローティングベストを着用しましょう。ウェーディングベストは全面に大きなポケットが付いており、ルアーケースや貴重品も収納可能で、カラビナやコードを接続するDカンも複数取り付けられカスタマイズも可能です。

着用のPOINT!!

ウェーディングベストは、肩ベルト及びサイドベルのサイズをしっかり調整し、体にフィットさせて使用しましょう。これを怠ると落水時に脱げてしまったり、流された時に体が必要以上に水中に沈んでしまい正しい浮き姿勢を確保出来ません。
また、股紐があるフローティングベストの場合は必ず股紐も着用して下さい。


その他あると便利な物

●ヘッドライト
ヘッドライトは夜間やマヅメ時など光量が無い時の長距離の移動やルアー交換時に使用します。特に暗闇での移動は危険が伴いますので必ず装備しましょう。

●後方確認点滅灯(フラッシャー)
後方確認点滅灯(フラッシャー)は他のアングラーが自分の存在に気づかずルアーを投げ込んでしまう事故を防止する為に使用します。夜間はライフベストの後ろに装着して常に点灯させておきましょう。

●ロッドスタンド
サーフなどで釣りをしている場合、休憩時などに砂浜に直接精密機器であるリールを置いてしまうと砂噛みの原因になります。ロッドスタンドは砂に刺してタックルを立て掛けられ簡単に砂からタックルを守る事が出来ます。

●ペンチ
魚をキャッチした際に手で直接フックを外そうとすると、魚が暴れて手にフックが刺さってしまう危険があるので魚を外す時は必ずペンチを使用し安全に魚を外しましょう。

●フィッシュクリップ
フィッシュグリップは釣り上げた魚を安全に持つためのアイテムです。歯やトゲが鋭い魚が釣れたときや、暴れる魚の口からスムーズにフックを外したいときに役立ちます。魚に触れずにリリース出来るため魚体へのダメージを抑え、手を汚す事無くリリース出来ます。

●ストリンガー
魚の下顎から口にストリンガーを通す事により魚を生きたままキープしておけます。

●スマートフォン防水ケース
フローティングベストのポケットに携帯電話を入れて釣りをする事になると思いますが、波や飛沫などでポケットが濡れてしまう場合もありますので、水濡れ防止の為に防水ケースを使用しましょう。

●ルアーケース
交換用のルアーをフローティングベストのポケットに携帯するのに使用します。

釣行計画をしっかり立てましょう♪

ウェーディングは水に入っての釣りですが水の中はかなり体の自由が制限されます。丘からの釣りよりは危険度が高くなりますので、事故を回避し安全に釣りをするためにもライフジャケット等安全装備を確実に着用するのはもちろんの事、ポイントの情報を事前に良く調査し釣行計画をしっかり立てて入水しましょう。

気象情報の確認とタイドグラフでの潮汐、干満差の確認

釣行当日の気象情報を確認すると共に潮汐を確認しましょう。河口やサーフなどでのウェーディングでは潮汐による干満差を考慮せずに釣りを続けてしまい、気付いた時には潮が満ちて岸に戻ることが出来なくなってしまった!!なんて事も発生しますので、必ずタイドグラフでエントリー可能な潮位と干満差を確認して釣行する必要があります。

特に初心者は無理をせずに満潮から干潮までの下げ潮での釣行をオススメします。

終了時間は余裕を持って決定しアラームをセット基本的に2名以上で、そのポイントに何度か入っているアングラーと一緒に入るようにしましょう。

入水ルートの確認

場所によっては急に深く掘れているスリットが点在するフィールドもあります。マズメ時など光量が少ない時間に釣行する場合は必ず釣行前にポイントの下見をし釣り場所の地形の確認をしておきましょう。
水深があるポイントへ入水する場合は足場の地形がわからないまま場所を移動するのは危険なので、ウェーディングスタッフを使用し水深を確認しつつすり足で移動しましょう。

ウェーディングの歩き方の基本はすり足で!!

ウェーディングで水中を歩く場合、基本は「すり足」で移動します。特に水位がある場所のウェーディングでは、水中の足元の地形がわからないまま移動をする事になるため、ゆっくりとすり足で水底の地形を確認しながら進む事で窪みや石に足を取られないようにします。

サーフの地雷!!エイに注意しましょう

春の急激な水温の上昇と共に多くのベイトが接岸して来ますが、エイもベイト捕食のため浅瀬に接岸して来ます。エイは基本的に普段は砂の中に半分身体を隠しながら近づいてくるベイトを待ち構えているだけですが、釣り人がエイのいる事に気付かずにうっかり踏んでしまったりすると、尾びれの付け根付近にある毒棘で攻撃してきます。
棘といっても、鋸状のカエシの付いた両刃のナイフのような物で、ウェーダーのブ-ツフット部分のゴムなどは簡単に貫通し、硬い足底周りや丈夫な足裏のフェルトまで刺さる威力があるので注意が必要です。

入水時の注意点

釣りに夢中になっていると飛距離を出す為にどうしても前へ前へと行きたくなってしまいますが、気象情報や海況を考慮した上で安全に釣りが出来る位置でウェーディングを楽しみましょう。

安全マージンを考慮して立ち込みましょう

打ち寄せる波の大きさは一定では無く急に高波が来て流されてしまう場合や、ウエーダー内に浸水して動けなくなってしまう場合がありますので、深場に立ち込みすぎない様に注意しましょう。流れや波が強ければ膝下ぐらいまで、流れが無ければ腰ぐらいまでが限度です。
また、海が荒れていてウネリが入っている場合は、波足が長くなり平常時より遠くまで波が届くと共に引き波の強さが比べ物にならないぐらい強力になりますので注意が必要です。

離岸流に注意しましょう

離岸流は波によって生じる岸から沖方向への海水の流れです。サーフの凹み部分や堤防・ヘッドランド際などの構造物の脇などに良く発生します。流れにより海底が深く掘れており釣りをする上では多くの魚をストックする一級ポイントになりますが、波が集まり強力な流れが沖へ払い出しているため、通常のポイントより引き波が強くなりますので注意が必要です。

マナーを守ってウェーディングを楽しみましょう

先行者の隣に入る際は一声かけて入りましょう

ポイントに先行者がいる場合は必ず一声掛け挨拶をしてから入りましょう。

隣とはストレス無く釣りが出来るスペースを開けましょう

ポイントに入れる距離は状況により異なりますが、お互いの釣りに邪魔にならない距離を確保して入りましょう。特に風が横からで強風の場合はキャスト後にラインが風に流されて風下側に大きく膨らみますので、ラインのコースを考慮した立ち位置の確保が必要となります。
また基本的に先行者が優先なので先行者より前側に立ち込むのはマナー違反です。状況にもよりますが釣りをする上で先行者が不快に思う距離感には入らないように注意しましょう。いくら釣れているからと言ってもポイントへの無理な割り込みは止めましょう。

隣のアングラーのヒット時は速やかにルアーを回収しましょう

あまり走らない魚の場合は必要無い場合もありますが、青物などの場合は遊泳力が強く左右に大きく走ってしまう場合もあるので、隣のアングラーが魚をヒットさせた場合はルアーを速やかに回収し取り込みの邪魔にならないように注意しましょう。
初心者の場合隣でヒットさせると、そこに魚が居ると考え直ぐにルアーを投げ込んでしまう人がいますが、糸絡みにより掛けた魚を取り込み出来なくなってしまう可能性が高いのでマナー違反です。

夜間はライトの方向に気を付けましょう

夜間の暗闇では海をライトで照らして確認したくなりますが、良く魚が逃げるから照らすな!!と良く言われます。ライトにより魚が逃げてしまうかはハッキリ分かりませんが、警戒心が上がるのは間違い無いのでなるべくポイント側へライトを向けて照らすのは止めましょう。
ルアー交換時にキャストする側を向いたままライトを点けてしまうと、知らない間にポイントを照らしてしまっている場合があるので、ルアー交換時はキャストをする反対側を向いてからライトを点けましょう。
また白色LEDは光量が強いため魚に警戒されますが、魚から見え難い赤色のライトが使用出来る製品も出ていますのでおすすめです。

釣りをしている後ろを歩く際は十分な距離を保ちましょう

キャストしている後ろを通行する場合は十分な距離を取って歩きましょう。キャスト時は竿を後ろに振りかぶってキャストするうえ、ルアーの垂らしを多く取ってキャストしているケースもあります。
ルアーの軌道が思った以上に遠くまで来ますので十分な距離を取って通行しましょう。

ウェーディングは今まで出会えなかったような魚を釣り上げるチャンスが大きく広がりますが、オカッパリの釣りと比べるとより多くの危険が伴う釣り方です。
事前に万全な準備をすると共に、波が高い時や波足が長く危険と思われる時は釣りを止める勇気が必要です。

総合
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