伊勢海老の釣り方とルール

伊勢海老の生態

房総半島以南から台湾までの西太平洋沿岸と九州、朝鮮半島南部の沿岸域に分布し、外洋に面した浅い海の岩礁やサンゴ礁に生息します。
昼間は岩棚や岩穴の中にひそみ、夜になると獲物を探し捕食します。食性は肉食性で貝類やウニなどいろいろな小動物を主に捕食しますが、海藻を食べることもあります。

体長は通常20-30cmほどで、まれに40cmに達するものもいて重さは大きなもので1kg近くになります。体型は太い円筒形で、全身が暗赤色で棘だらけの頑丈な殻におおわれ、触角や歩脚もがっしりしています。

伊勢海老を合法的に釣ることができる条件

味や見た目も良く市場価値が高いため共同漁業権のに指定されている伊勢海老ですが、釣りをしていると意外と簡単に釣れたりします。しかしルールを知らず持ち帰ってしまうと密猟として海上保安庁に摘発さてしまう場合もあるので、伊勢海老を釣るための条件を知りルールに違反しないように釣りを楽しみましょう。

共同漁業権のエリア外で釣りましょう

伊勢海老は第1種共同漁業権の対象となっている場合が多く、共同漁業権の指定がある場所は免許を受けた漁業協同組合の組合員(漁業者)以外の方が、この権利を侵すと漁業権侵害として罰せられることになります。
共同漁業権のエリアの確認は、海上保安庁が公開しているデータベースCeisNet(シーズネット)でチェック出来るので、自分の行く釣り場に共同漁業権が指定されていないか確認しましょう。

左側のタブを開きメニューから水産>漁業権>共同漁業権を選択します。
すると地図上に黄緑色の線が引かれたのが共同漁業権の指定がある水面です。地図上の自分が確認したい位置をダブルクリックするか、ドラッグ&ドロップと右側のスクロールバーで地図を移動拡大させながら目的位置を確認します。
確認したい黄緑色の線の囲いの中をクリックするとその水面に指定された共同漁業権が表示されます。この中の第一種共同漁業権に伊勢海老等の項目がある場合は残念ながら伊勢海老釣りは出来ません。

立ち入り禁止区域、釣り禁止エリアに立ち入らないようにしましょう

共同漁業権が設定されていなかったり、魚種に伊勢海老が指定されていない場合でも、港湾や県等が指定した釣り禁止・立ち入り禁止エリアでは釣りが出来ません。
近年、漁港の防波堤など立ち入り禁止区域、釣り禁止区域になっているエリアにあえて侵入する、釣り人の迷惑行為が問題になっています。
漁港関係者からはマナーを守っている釣り人と迷惑行為をする釣り人の判別が難しいため、やむなく漁港全体を立ち入り禁止にするというケースも増えているようですので、釣り場を失わないためにも立ち入り禁止区域、釣り禁止区域で釣りするのはやめましょう。

禁漁期間と体長等の制限を守りましょう

伊勢海老は初夏から夏場に産卵シーズンとなるため、この時期は漁業調整規則で水産資源の保護のために禁漁期間と設定されており釣ることが出来ません。
この漁業調整規則は県別に設定されているため、自分のお住まいの県の漁業協同組合のホームページをご確認下さい。
ちなみに静岡県は5月15日~9月15日が禁漁期間となっています。
また伊勢海老は静岡県漁業調整規則第37条(体長等の制限)により眼の付根から尾端まで体長13cm以下のものは採ることが出来ません。


使用しても良い漁具,漁法を守りましょう

使用しても良い漁具、漁法にも漁業調整規則による決まりが県別に決まっていますので、漁具,漁法を守り遊魚を楽しみましょう。
下記は静岡県の漁業調整規則で指定されている遊漁者の皆さんが使用できる漁具,漁法です。

  • たも網又はさで網
  • やす(水中眼鏡を利用する場合を除く。)
  • は具(火光又は水中眼鏡を利用する場合を除く。) 
  • くまで(幅15センチメートル以下のものに限る。) 
  • 投網(船舶を使用する場合を除く。) 
  • さお釣又は手釣(から釣を除く。)
  • 徒手採捕 
  • ひき縄釣3

静岡県公式ホームページ(海面における遊漁のルールについて)

伊勢海老が釣れるポイント

伊勢海老は通常昼間は防波堤の基礎部分となる捨石の隙間部分やテトラポッドの隙間など暗い穴の中に隠れています。
そして夜になるとその穴より這い出て活発に活動する為、伊勢海老を釣る場合は夜間にこの穴の周辺を狙うのが基本となります。

基本的には堤防の際部分の捨石上に仕掛けを垂らせばOKです。
基礎部分の窪みや堤防に空いた穴がある場所に複数の伊勢海老がいる可能性が高いです。

テトラとテトラの組み合わさる隙間部分に仕掛けを垂らします。なるべく深くまで通じている穴を見つけるのがポイントとなりますが、仕掛けを下ろして錘が当たっているにもかかわらず、さらに送り込むと根掛りの原因となりますので注意が必要です。
伊勢海老がいる良い穴を見つけることが大変ですが、一つ釣れる穴を見つけると複数の伊勢海老がいる可能性が高いです。

伊勢海老のタックル、仕掛け、餌

ロッドの選び方

ロッドは始めは何でもOKでカゴ売りの安物ロッドでも使用しなくなったブラックバス用のベイトロットでも大丈夫だと思いますが、専用品はテトラの穴釣りロッドなどのグラスロッドになります。
胴にパワーが無いロッドでは大型の伊勢海老が掛った時にロッドが負けてしまう心配がありますので先調子で胴にパワーがあるロッドがおすすめです。

リールの選び方

リールも始めは何でもOKですが出来ればベイトリールを使用して下さい。こちらもスピニングリールですと大型の伊勢海老や大物根魚が掛った時の巻き取りで重さのためリールがギクシャクしてしまいスムーズに巻けなくバラシにつながります。
私も始めは使用しなくなったバス用のベイトリールを流用していましたが、塩ガミで直ぐにリールが逝ってしまうため現在はオールドのPENNやORIMPICなどの中古リールを使用しています。
ラインの太さ的には伊勢海老釣りは根掛りとの戦いで、毎回オモリも一緒に切れてしまうとそれなりに出費もかさむため、もし根掛かってもハリス部分で切れるようにメインラインはPE5号程度の強いラインを巻くようしましょう。

伊勢海老の仕掛け

伊勢海老の仕掛けは左図のように道糸に中通し丸錘の15~20号を通しスナップを付け、その下に専用の針を付けるだけの簡単な仕掛けです。
専用針は市販のものでOKですが、一本のハリスに3本の針が付いているタイプと、3本の独立したハリスに針がそれぞれ付いていてビーズでまとめてあるタイプがありますが、好みで使い分けをすれば良いと思います。

また自分で作成する場合はハリスは3~5号、ハリは伊勢尼5号、チヌ5号等を使用し針の間隔は3cmくらいにセットすればOKです。
何度も言いますがイセエビ釣りは根掛りとの戦いですので、釣りに行く時はオモリや仕掛けは充分に余裕のある数を用意して行きましょう

伊勢海老の餌

伊勢海老釣りを昔からやっている釣り人に聞くと、全員が一番良いいオススメの餌はジャムシと答えますが、青イソメなどの虫系全般・烏賊の短冊切り・サンマ・キビナゴなど、基本的にはどの餌でも伊勢海老を釣ることが出来ます。
釣り人によって好みで色々な餌を使用しているので、このへんを研究してみると面白いかもしれません。

ルールを守って楽しく伊勢海老釣りを楽しみましょう。

伊勢海老は第1種共同漁業権の対象となっているため、県によって禁漁期間やルールなどが違って来ます。自分の釣りをする場所の正しいルールをインターネットや県の水産課、海上保安庁などに確認しルールを守って伊勢海老釣りを楽しみましょう。

伊勢海老
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