アガベの発根管理【土耕管理のポイント】

購入するアガベの状態

アガベを購入する時のアガベの状態ですが、通常植物を購入する場合は鉢に植わって育っているものを購入する事が多いと思いますが、アガベは様々な販売形態が存在します。
店舗で購入する場合は他の植物と同様に鉢植えがメインになってくると思いますが、ヤフオクやメルカリなどネットで購入する場合は基本的に鉢に植わっていない状態、抜き苗での販売になると思います。
抜き苗と一口に言っても細かく言うと「抜き苗」「ベアルート株」「子株(未発根)」と分ける事が出来ます。

抜き苗

送付の為に栽培株を鉢から抜いて根が裸状態になった株です。

ベアルート株

アガベはもともとアメリカやメキシコに自生している植物ですが、近年では台湾やタイ、インドネシアなどで盛んに栽培されて輸出されています。ベアルート株は基本的にこれら海外から輸入されてきた株で、 病害虫を日本に持ち込まないための検査植物検疫を通すために根の土を落として根をカットし乾燥させた株です。

子株(未発根)

子株を吹き難い品種を胴切りや縦割りをして増やした子株で、発根していない状態の株です。
抜き苗で根が充実している株の場合は、ただ鉢に植え付けて管理すれば簡単に育てる事が出来ますが、ベアルート株や未発根の子株の場合はただ植え付けるだけではなく発根管理をしてまず根を出してやる必要があります。

株を購入する時のポイント

アガベの発根管理というと発根させる方法の方に目が行きがちですが、そもそも発根させようとする株の状態もかなり重要ですので、発根失敗のリスクを減らす様に株を選ぶ時から購入株の状態に十分注意をして下さい。

株の鮮度

どんな植物でも土から引き抜かれた時点でそれなりにダメージを負っています。アガベは葉に養分や水分を蓄える事が出来る植物なので、適切な処置をすれば根が無い状態のままでも何カ月も状態を維持出来はしますが、鮮度が良い方が間違いなくダメージは少ないので、なるべくダメージが少ない鮮度が良い株をチョイスして購入しましょう。
子株なら親株から外して何ヶ月も経ってしまいシワが寄ってしまった様な株よりも、親から外して切り口が乾燥し日数の経っていない株。輸入品のベアルート株も、輸入してから何ヶ月もベアルートのまま転がされていた株よりも、輸入直後のフレッシュな株を狙って購入しましょう。

株の若さ

アガベは大株より子株の方が葉の展開が早い傾向にありますが、根も同様に子株の方が動くのが速く発根スピードが速くなります。輸入品のベアルート株というとある程度大きくなり株が充実した物が輸入されるので、初心者はいきなり高価なベアルート株にチャレンジするよりは発根のしやすい未発根の子株から始めてみるのが良いかもしれません。

株の大きさ

こちらは未発根の子株の話になりますが、株があまりに小さすぎるものは株に蓄積されている力が足りないので発根しにくく、成長スピードも遅くなります。主にネットなどで実物の株を見ずに購入する場合、写真だけでは実際のサイズが掴み難い物が多々ありますので、子株の姿や形だけを見ずに必ず大きさも考慮して購入するようにしましょう。
育てていく上でも小さい子株よりは大きめの子株の方が水切れなどのトラブルも少なく成長スピードも速いので安心して育てる事が出来ます。

発根前の下処理

古い根のカット

こちらはベアルート株の場合ですが、乾燥し枯れている根が長く付いている場合。この根はもう死んでしまっていて復活しないので、良く殺菌したハサミを使用してカットしましょう。この枯れ根を残したまま土に植え込むと、鉢内の通気性が悪くなり根腐れを起こしやすくなってしまいます。
カットする位置は植え付けた時に株を安定させる為に株元から2〜3cm程を残してカットしましょう。

古い葉や傷んだ葉の処理

枯れて根元まで茶色くなった下葉や腐りが入ってブヨブヨしてしまっている下葉は株自体の腐りの原因となるのと、アガベの発根部位は太い幹部分の延長となる茎根の先端部分ではなく葉の根本の茎根付近からとなるため、古い下葉を外す事によりフレッシュな発根部位を露出させて発根しやすくする目的もあります。
またベアルート株などで根際の表皮がガチガチに固くなってしまっていると発根しにくいので、表面の固い部分を生きた繊維が出るまでカッターで削り取ると発根しやすくなります。

殺菌処理 ベンレート風呂w

前処理の根のカットや下葉処理の傷口から菌が侵入し、腐りが広がってしまう可能性があります。
また、主に海外からのベアルート株は検疫を通っているとはいえ菌が付いている場合もあり、国内の生産者からの株といえども万一の事もあります。購入した株がダメになってしまうだけならまだしも自分の育成株にまで広がってしまう恐れもあるため、植え付け前には必ず殺菌消毒を行いましょう。

アガベの薬浴と言ったらコレと言うぐらい定番です。濃ければ良いという訳ではないので、1000分の1弱に希釈し1時間ぐらいドブ漬けしてしっかり殺菌しましょう。

乾燥

直射日光が当たらない風通しの良い場所で1日程乾かします。

土耕 発根管理 

アガベの発根管理と言うと、土耕、水耕、今流行り?の水苔などがありますが、土耕はそのままアガベを土に植え付けてしまう管理方法です。管理の手間が掛からないため私は殆どのアガベを土耕管理で発根させています。
【利点】
・管理の手間が掛からず水耕よりとにかく簡単。
・水耕で生えた根の場合は根が水に適した根のため土に植えつけた時に土用の根に変わる必要がある。
・発根後の植え込みの必要が無いので植え込み時に根を痛めない。
【欠点】
・どの程度発根したのかが分からない。

発根促進剤ルートンの塗布

発根促進剤とは発根を促進させる植物ホルモン剤のことで、植物の発根を促進する薬剤になります。やらなくても特に問題は無いのですが、アガベの株によってはなかなか発根してくれない株もあるため、おまじない的な感じで毎回塗布していますw

用土へ植え付け

基本的に土耕の場合は発根したらその鉢植えのまま育成管理となりますので、通常の株の植え付けと同様のセッティングで、鉢底石、緩効性肥料のマグアンプ、殺虫剤のアドマイヤー、土を鉢に入れて植え付けを行います。

腰水管理

土耕による発根管理はただ土に刺して待っているだけでは発根しません。アガベの発根の為には発根部位が水に付いている必要がありますが、アガベ用の水はけが良い土に水やりだけで土が常に湿っている状態を維持するのはかなり難しいので基本的に土耕による発根管理は腰水で管理します。
水耕の場合はアガベを漬けている水が古くなり腐ってしまうと株の腐りにつながるので、頻繁な水換えが必要になりますが、土耕での腰水の場合は用土と水の中で微生物が発生し水を浄化するので水が腐りにくいため私は水換えなどはせず足し水だけで管理しています。
置き場所的には直射日光の当たらない場所で管理しましょう。

発根の確認

以前は株の上部を持って軽く左右に揺らしてみて、株自体が動揺しないかをみて根が張ったかを確認していましたが、動かないので発根したと思っていても発根していない株が出たりして確実な確認にはなっていませんでした。現在は株元を少し掘り返して茎根部分から実際に根が出ているのかを目で見て確認しています。
鉢から抜いて確認すると折角発根した根を痛めてしまうのでおすすめ出来ません。

アガベ
ふくをフォローする
スポンサーリンク

wildworks

コメント