メダカの飼育方法

メダカの飼育容器

メダカは体が小さく比較的丈夫な魚なので、金魚や熱帯魚などのように専用の設備は必要無く、睡蓮鉢、プラスチック容器、発泡スチロール、ガラス水槽など様々な容器で飼育する事が出来ます。一般的には水面からの酸素の供給と観賞のし易さから水面の面積が広く水深が浅い容器が適しています。容器のサイズは水質の悪化や水温の急激な変化抑えるうえで、水が多量に入る方大きな容器の方が理想的ですが、メダカ成魚1匹を飼育するのに必要な水量の目安は1リットルと言われています。

過密飼育は酸欠や水質悪化の原因ばかりだけで無く、メダカの成長を妨げたり繁殖率が落ちる原因にもなりますので、なるべく大きめの容器で飼育しましょう。

容器の色については、メダカは自然界で身を守るため周囲の色を見てそれに合わせるように体色を変化させる機能が備わっており、白い容器なら淡く、黒い容器なら濃く体色を変化するため、白い容器や水槽など明るい容器でメダカの飼育を行うと、メダカは自分で体色を薄くしてしまい本来持っている美しい体色の表現が薄くなってしまうので飼育容器の色も重要です。また、幹之メダカの様に体外光を持っているメダカは、明るい容器で飼育すると光から体を守るためグアニンの生成が増え体外光が伸び易くなるため、これを目的としてあえて白容器やガラス水槽を使用する場合もあります。

メダカの底砂利、底床

底床とは容器の底に敷く砂利や土のことですが、メダカを飼育する上で低床を入れる入れないは、自分が何を目的としてメダカを飼育するかによって変わります。

まず鑑賞のために水草や流木を入れ景観を良くする目的の場合は水草に広く根を張らせ育成を促すのは勿論のこと、低床は濾過バクテリアや最近の定着と繁殖場所となり、メダカのフンなどから発生する有害なアンモニアや亜硝酸を比較的無害な硝酸塩に分解する事で長期間綺麗な水を維持し水換えの頻度を大幅に減らす事が出来ます。

  • 赤玉土
    赤玉土は関東ローム層の火山灰が積み重なってできた赤土を乾燥させたものでもともとは園芸用の土です。赤玉土自体には肥料分が含まれてなく、粒の大きさも細粒,小粒,中粒,大粒と様々なサイズがあり、その多孔質構造により濾過バクテリアの付きが良く安定した水質を維持することが出来るうえ非常に安価です。
  • 荒木田土
    田んぼの耕土下や河川敷などの下層でみられる粘土質の土で有機,腐植質を多く含みます。微小な泥質なため底床の通水性は悪くバクテリアの分解が進むと腐ります。睡蓮は粘度質の土壌を好むため睡蓮を植える場合には多用されますが、粒子が細かく舞い上がり易いためビオトープでの使用では荒木田土の表面を濁りにくい赤玉土などで覆うような工夫をする方が良いでしょう。
  • 田砂・砂利
    田砂や砂利の良いところは硬質なため型崩れせず半永久的に使用出来るところです。水槽では主に濾過槽にバクテリアを繁殖させ生物濾過による水質維持を行いますが、ビオトープの場合は底床にバクテリアを繁殖させる事により水質維持を行います。田砂や砂利は底床の通水性が悪く表面積が大きい形状ではないため、バクテリアによる水質維持能力がイマイチ期待出来ません。

メダカを増やしたり、綺麗なメダカを作る事が目的の場合は高密度飼育から水換えの頻度が高かったり、選別作業などでメダカを掬う頻度が高くなるかと思いますが、低床があると水換えの負担がグッと上がるとともに、メダカを掬う時にメダカが驚いて低床に頭を突っ込んで隠れようとする為、メダカへのダメージと掬う手間も劇的に増えるため低床無しをお勧めします。

メダカの飼育水

メダカの飼育水は細菌や有機物などの異物が入っていない水道水が一番ですが、細菌を消毒するための塩素(カルキ)が入れられています。
人間にとっては極微量の残留塩素は問題ありませんが、塩素に対する抵抗力が弱いメダカや魚類等にとっては命を落としかねないほど有害な物質です。
水道水を飼育水に使用する場合には、残留塩素を抜いてから使用しましょう。
残留塩素は飼育容器に水道水を貯め、屋外なら太陽光を当てながら一昼夜、室内なら2日も放置すれば抜く事が出来ます。
すぐに水換えを行いたい場合は市販の中和剤(カルキ抜き)を利用して残留塩素を抜きましょう。

まぁそうは言っても私も飼育開始当初は残留塩素にかなり気を使っていましたが、地域がら水道水の水源が綺麗な事もあり残留塩素が少ないため、現在では全量の換水であっても直接水道水をドバドバ入れ、そのままメダカを投入しています。

グリーンウォーター(青水)

メダカ飼育時に発生するグリーンウォーターは緑藻類などの植物プランクトンで、植物性プランクトン自体がメダカのエサになったり、 メダカが排出した糞に含まれる生体に対して有害な窒素化合物等を分解してくれたりと、メダカにとってメリットがあります。
またデメリットとしては、その緑色の水色でメダカ自体が見え難くなってしまう事、メダカの天敵であるヤゴやゲンゴロウなどの肉食水性昆虫などが混入しても見えなくなってしまう事、更にはあまりにも濃くなり過ぎたグリーンウォーターは夜間に植物性プランクトンが酸素を大量に消費しメダカが酸欠になる恐れもありますので注意が必要です。

また本当の緑ではなく、茶色がかったようなグリーンウォーターになってしまった場合は、温度や水質の変化等の要因により飼育水内の植物プランクトンが死んでしまい水が悪くなっている状態なため、早急に水換えを実施する必要があります。

他にも雨が降り大量の雨水が飼育容器に入った後に、今までグリーンウォーターだった水が一夜にしてクリアーな水になってしまう場合もありますが、こちらも植物プランクトンが大量死し容器底に堆積しているため急激に水質悪化していくので、早急に水換えを実施する必要があります。

水草

水草についても飼育容器に入れる入れないを決める基本は、底床同様に自分がメダカを育てる目的が鑑賞のためか?繁殖のためか?で変わって来ます。
鑑賞を目的とした場合、水草により景観が良くなるのは勿論の事、水草が沢山茂ることで隠れ家が増えてメダカの受精卵、稚魚の生存率が上がります。

また水草はメダカの糞尿などから発生したアンモニアが濾過バクテリアにより分解され最後に残った硝酸塩を吸収するため、水質維持の面でも大きく貢献をします。

  • 睡蓮
    スイレン(学名:Nymphaea属)は、スイレン科に属する水生の多年草で大きくは温帯スイレンと熱帯スイレンがあります。 
    温帯スイレンは世界の温帯域に広く分布しており、日本が温帯域であることから栽培には気候が適し、赤,白,黄の花色があり、冬期は落葉し地下茎のみで越冬します。
    熱帯睡蓮は主に東南アジアとアフリカに分布しており、白,青,赤の花色があります。
    高温下でしか開花しないため、日本での開花期は6~10月に限定され、寒さに弱いため冬期は地下茎を掘り上げて室内で保管する必要があります。また、アフリカ産の熱帯スイレンは「むかご」をつけるので、むかごを収穫し次の初夏に植えつけます。 
  • ナガバオモダカ
    北アメリカを原産地とする多年生の帰化植物で「ジャイアントサジタリア」の名称で観賞用水草として古くから流通していて、最近ではホームセンターなどでも「メダカ喜ぶ水草」として販売されています。春から秋にかけて水上葉を繁らせ春先には白く可愛らしい花を咲かせます。寒さに強い植物で冬は水上葉や茎は枯れ水中葉で越冬します。
    ナガバオモダカは水辺に大増殖することで在来の水生植物の生育地を奪い、水域生態系を破壊することが指摘され外来生物法により要注意外来生物に指定されています。
  • ホテイアオイ
    メダカや金魚の浮き草と言えばホテイアオイというぐらいよく見かけます。繁殖力が旺盛で水上に浮かべているだけで容易に育成でき、どんどん増えます。根から養分を吸い水質の浄化作用もあります。
  • マツモ
    世界中の河川や沼地などで自生している沈水性浮遊植物で、環境適応能力高く育成が簡単な植物で、初心者にはもってこいの水草です。水質と水温が適応してさえいれば、ある程度の日光や照明で元気に育ってくれます。
  • アナカリス
    アナカリスは和名では「オオカナダモ」と呼ばれ、もともと北南米、オーストラリア、ヨーロッパなどに分布生息している水草で、実験用に持ち込まれまたものが丈夫な為、日本に帰化し 池・湖・沼・川等々様々な場所に自生しています

メダカの飼育場所

メダカは日光に当たることにより丈夫で健康な体に育ち、病気にもかかりにくくなるため、屋外のなるべく日当たりの良い場所に容器を置きましょう。室内飼育はいつでも好きな時にメダカを鑑賞出来る事は魅力ですが、どうしても光が不足しがちになるため。どうしても室内飼育しなければならない場合は窓の近くでなるべく光が差し込む場所に容器を置きましょう。

またメダカは日光に当たる方が良いとはいえ、夏場の直射日光では容器内の水温が上昇しすぎる場合があるため、遮光ネット、よしず、すだれを利用し日陰を作るようにします。

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